【AS platform】こどもNISAの概要と扱い方

【AS platform】こどもNISAの概要と扱い方

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共感と学びの募集人プラットフォーム AS platform 2026年6月17日掲載コラムをご紹介します。

こどもNISAの概要と扱い方

令和8年度税制改正大綱において、18歳未満を対象としたNISA(通称:こどもNISA)が創設されました。かつてのジュニアNISAの廃止以降子どもの教育資金準備の選択肢が減り、親が資金の置き場所に悩む中での創設ということで、ご質問される機会も徐々に増えていくと思われます。今一度制度の概要を整理しておくとともに、位置づけや扱いについても考察したいと思います。
なお、本コラムは令和8年度税制改正大綱を基に執筆しております。

こどもNISAの概要

2024年にスタートした新NISAは、1月1日時点で18歳以上の国内居住者が利用者の条件となっていました。今回、2027年1月からスタートする通称こどもNISAでは、年齢の下限が撤廃され、0歳~17歳の人も口座開設可能となります。

図表① NISAの概要

なお、表にあるように、18歳になった時点でこどもNISA口座に保有している資産は、成人NISA口座のつみたて投資枠に自動的に移行されます。その場合、成人NISA口座の非課税保有限度額は1,800万円から移行した分の残りとなることに注意が必要です(例:600万円を移行した場合、成人NISAの非課税限度額は1,200万円となります)。

また、引出し制限の有無について気になる親も多いと思います。以前のジュニアNISAは基本的に18歳まで引出し制限があり、使い勝手の悪さが不評でしたが、今回のこどもNISAは12歳以降、教育費目的であれば引出し可能となります。
ただ、大綱によると「子の同意を得た場合のみ、親権者等による引出しを可能とする」とのことで、具体的な書式や手順等は未定ですが、引き出す際の手続きはやや手間がかかるかもしれません。

 

メリット・デメリットを理解し、保険商品と共存がオススメ

筆者の相談業務においても、こどもNISAの創設を知った親からの相談は増え、特に「学資保険とこどもNISAとどちらがいいか?」という質問は定番です。
保険商品とこどもNISAの位置づけや扱いをどのように考えたら良いかという点を考えてみたいと思います。

そもそもNISAは「金融商品に自分で直接運用する」しくみであるのに対し、貯蓄型の保険商品は「保険料を一部保障機能に、一部貯蓄機能に充当し、保険会社が運用する」しくみです。
この違いをいくつかの視点で比較してみましょう。

図表② NISAと保険商品の違い

表からもわかるように、こどもNISAは投資元本が100%運用に回るので運用効率が良く、大きなリターンを期待できる一方、運用いかんによっては必要な資金を必ず準備できる保証はありません。また、親に万一のことがあった場合、積立ができなくなる可能性もあります。

これに対し、学資保険や低解約返戻金型終身保険は、こどもNISAのように大きなリターンは望めず、インフレに弱いものの、親に万一のことがあっても必要資金を確実に準備できるという点が何よりの優位性といえます。
同じ保険商品でも外貨建て終身保険や変額保険の場合、価格変動リスクや為替リスクなどがある一方、親が万一のときの保障機能に加え大きなリターンも期待できます。

教育資金の場合、「確実性」は親に響くワードといえるでしょう。
こどもNISAの特徴と学資保険、低解約返戻金型終身保険の特徴は対極といえるので、競合というよりもむしろ共存させやすいのではないでしょうか。
この組み合わせでは、保険は大学の費用を目的とし、中学受験など比較的早い時期から教育資金がかかる場合は、12歳以降で引出しができるこどもNISAで対応すれば良いでしょう。
低解約返戻金型終身保険とこどもNISAの組み合わせであれば、こどもNISAで教育資金のめどが立つなら保険はそのまま寝かせておき、親の老後資金に充てることもできます。

ただ、運用経験やコスト意識のある親だと「同じようにリスクを背負うならコストも含めトータルで運用効率の良いこどもNISAで運用したほうが良いのでは」と考える人は少なくありません。
図表②からもわかるように、運用の合理性からみればその考え方には共感できます。とはいえ、親が万一のときでもまとまった教育資金を準備できることが保険商品の優位性であることには違いありません。
このあたりは「確定した保険金額が安心」と考えている、あるいはリスク許容度があまり高くない親の場合であれば学資保険や低解約返戻金型終身保険を、逆にリスク許容度が高めの親の場合は外貨建て終身保険や変額保険をお勧めするというように、保険商品とこどもNISAのメリット・デメリットをお客様にも十分ご説明し、提案を使い分けるとよいでしょう。

 

最後にひと言付け加えると親への気づきを提供できる

親としてはこどもNISAを使って教育資金を貯めていくことに注視しがちです。
しかし18歳になると自動的に成人NISAに移行されるため、その先も子ども自身がずっと運用を継続していくことで、子どもの資産形成を加速させることができます。
とはいえ、場合によってはスタート時点ですでに数百万円単位の資産が入っているかもしれません。成人口座ですから引出しは自由で、最悪の場合、子どもが引出して自由に使ってしまうかもしれません。だからといっていつまでも親が管理するわけにもいきません。

保険商品とこどもNISAの併用を選択されるお客様に対しては、ある程度の年齢になったら、子どもに「投資信託とはどういうしくみか」とか、「どんなものに投資しているのか」などお金の行き先を一緒に学んだり教えたりしながら、子どものマネーリテラシーを育てておく必要があることも伝えてあげると、親の大きな気づきとなると思います。

 

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この記事の筆者
ファイナンシャルプランナー 鈴木暁子
講演、執筆、メディア取材等を通して情報発信するほか、個人相談も行う。特に資産運用系、リタイアメントプラン系を得意としている。共著に「100歳まで安心して暮らす生活設計」(実業之日本社)など。J-FLEC認定アドバイザー。大学で非常勤講師も務めている。

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